先週末は福島県桑折町でのビューティボランティアの通り道で4名の希望者の方に 福島県被災ペットシェルターのボランティアに参加させていただきました。
参加者の久保田さんからのご報告です。とっても丁寧で現地の事が良くわかる報告ですので、是非動物好きの皆さんと共有して下さい。
ボランティアはいまでも必要ですし、やはり究極の解決法はこれらのペットが安心して暮らせる里親探しだということは参加された皆さんがおっしゃっていました。
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穏やかな晴天に恵まれ、 今回初めて動物保護活動の参加をさせていただいたきました。
私はメイクアップの仕事をしており最初はビューティーボランティ アとして参加しようと思っておりましたが、今回同時に福島県動物救護保護本部・ 第一シェルターのお手伝いもありましたので、 そちらに参加しました。
自他共に認める動物溺愛家(笑)であり、 犬2匹と猫2匹と暮らしております。
仕事でもアニマルレスキュー隊の名の下(自称)、 以前ミュージシャンの矢野顕子さんのツアーで一緒に仕事をしてい た時、 鹿児島で拾った子猫の里親をコンサート終了後に募り現地で譲渡し たくらいです。(ワンタン(矢野さん命名)どうしているかしら? )
今まで撮影などにも犬を連れて仕事をしたことがありますが、 CMなどの拘束時間の長い仕事では特に自分だけではなく現場のス タッフも犬に触れる事により仕事で張りつめたテンションを一瞬外 してくれる、 そこでまたフレッシュな気持ちに戻る事ができてなぜか疲れずに仕 事ができるという経験をした事が何度もあります。
見返りのない愛情を動物は惜しみなく与えてくれます。 動物も人間も自然の一部ですが、 私はうちの動物たちが最も近い自然を
触れることによって感覚的に体験させてくれるのでこの都会の東京 という場所にいることができるのだと日々感じて仕事をしておりま す。
今回なにか少しでも自分にできることがあればと思い福島に行って きました。
福島第一シェルターは福島市の飯野町という山間ののどかな場所に 倉庫のような高い建物2つと猫と事務局がある3つの小屋で活動を している。
現在福島県で動物を保護しているところは2カ所あり( 個人を除く)、 もう一つは田村郡三春町というところでここにいる動物たちは飼い 主がある程度分かっている子たちだが、 今回の飯野町の方はほとんどの子たちが(おおよそ犬70匹、 猫80匹ぐらい)飼い主不明だということ。
当日、お昼1時くらいに現地に到着し、 私TKdVから参加した1人と今回高速バスの手配や食事等をケア してくださったファンケルの方から3人、 福島の方達含め10名ほどでシェルターの動物たちの世話が始まりました。福島の方以外にも個人で東京や神奈川等から何人かの方が参加して いた。
初めに注意事項などを説明されて、 今回の仕事は天気がいいので犬の散歩が中心。 後はシェルターの中の簡単な清掃や餌をあげる手伝い、 ケージの中に入れる新聞紙を裂くという単純作業( 排泄物の処理用)。
シェルターの方が扉を開けて一匹ずつ犬たちを外に出し、 それを近くの歩道200mを往復する散歩コースを歩く。 犬たちをある程度の距離を保って排泄物の確認をしながら一人一頭 ずつ散歩させた。
散歩というには短い距離だなーと思いながらまず一匹目。
白い短毛の小柄な雑種犬、とてもおどおどしており、 歩道に出ると、草むらで1、2分くらいのながーいおしっこ。犬によってはケージの中で排泄しない子もいるだろうからこの子も きっとそうなのだろう。そしてすぐさま細いやせた身体から想像できないほどの大量のうん ち。ひさしぶりにとぐろをまいたうんちというものを見た(笑)。
よし、散歩だ!行くよ!と誘っても20Mくらい歩いて、 じっと物思いにふける。とすぐさまシェルターに戻ろうとする。散歩はしたくない様子、繊細な子なのだ。 ですぐシェルターに戻る。
2匹目のコッカー
次の子は白地に茶の模様のコッカースパニエル。
その後、 子狐のような小さな出産間もないだろうと思われる雑種のメス、 日本犬にチャウチャウが混ざったようなむくっとした中型のオス、 ハイテンションのコーギーのメス、と計5匹の犬たちと散歩する。
散歩の後は、少し休憩して福島の人たちと団欒。その後、 シェルターの中に入って新聞紙を裂いたり、 餌をあげる手伝いをしたり、中の掃除をしたりする。 てきぱきと作業をする現地の人たちに聞きながら自分たちのできる 範囲の手伝いをする。
一緒に犬たちと歩いて感じたことは思っていたよりとてもみんな元 気だということ。
飼い主が戻らないここの犬たちは不安や恐怖にさいなまれ調子もあ まりよくないんだろうな?と勝手に想像していたからだ。通常2~5人の少人数で動物の世話をしていると聞いた。
現地の人たちがとても愛情深くここの動物の世話をしていることがこの子たちと接していて良く分かる。
最初、3月27日に保護した動物は計170匹、 その動物たちを一人で世話してきた男性の方もいらした。温厚そうな優しい顔をした獣医の方もいて動物たちを注意深く愛情 と忍耐を持ってみんなで世話している。
一番困っている事は何ですか?と聞くと「う~ん、 やはりボランティアの人数が足りない事かなー?」 とおっしゃっていた。 今日は土曜日で10人近く集まったが、 平日少ないときは2人くらいで世話をしているという過酷な状況。みんなそれぞれに仕事をしていながら休日も時間を取って友人を誘 いながら手伝っているという事だった。
ケージの中の犬たち |
「ボランティアに来てくれる人たちは、 はりきって犬たちと時間を過ごそうとする。 散歩も短すぎるんじゃないかとか?、 えさももっとあげた方がいいんじゃないか? とか色々な事をいうけれど、 動物たちは静かに必要最低限の世話を受けながら今を生きている。 非日常の状況( 例えば今日みたいにたくさんのボランティアが参加した日) は時にはすごくストレスを動物に与える事があって、 体調をおかしくする子もいたりする、下血をしたり、吐いたり、、 、 人数は必要だけれども恒久的な世話をいかに持続し動物にできるの か、そのバランスが難しいねー。」って獣医の方が言っていた。
たしかに。実際口には出さなかったが散歩が短いのでは? と私も思った。
けれどいろんな子と散歩をして、たった400mの間でも7、 8回うんちをした子もいて下痢のような状態になった子もいたので やはりストレスを受けているんだなと感じる。 犬を見ていれば分かることだ。獣医の方の話がすっと飲み込めた。
人間はやりたい気持ちでよかれと思う過剰な行動が時には逆効果を 動物に与えてしまう。 動物のボランティアの参加するときにこのことを理解しておかなけ ればならない。人間のエゴなんて動物には必要ないのだ。
この子は一匹だけ屋根付きの1、5mのケージにいた子。 以前ジャンプしてこの中から脱走したそうだ。 どういう気持ちがそんな行動をさせるのだろう?
とても印象に残った事が2つあった。
一つは獣医の方のお話、 先ほどの話の続きで動物の受けるストレスの話の究極な例の一つだ が、
「以前、三春町に保護された自分の犬に会いに、 ある家族が訪れた。そこの家族は仮設住宅に入っており、 いつ又飼い犬との生活ができるか全く先の見えない状況の中で会い たい気持ちが押さえきれず犬に会いにきた。 犬は大喜びで家族とのかけがえのない再会に体中で喜び表現し、 愛情を受け与えて時間を過ごし、 そしてその家族は満足して犬を置いて帰っていった。でもね、 3日後にその残された犬はケージの中で死んじゃったんだよ」と。
その家族のやりきれない悲しみや犬のまた取り残されたという絶望 感、胸が苦しく悲しみがこみ上げて絶句してしまった。
本当に難しい問題だが、 原発の事故によって日常の尊い幸せな時間を突然奪われた福島の人 びとや動物たち。 このたくさんの行き場のない気持ちをどうやって一緒に寄り添う事 ができるのか、 なにができるのかということが東京に住んでいる私たちにとって課 題の一つになるであろう。 シェアして少しずつでも可能性のある持続的なボランティアとは何 かを考えること。
最後にもう一つ。
東京の小学校で小動物ではなく犬を子供たちと一緒に飼うというユ ニークな教育活動をしている教職の人たちがまた新しい犬を保護す るためにここを訪れ、 以前このシェルターから引き取った犬との再会の喜びにハグするボランテ ィアの方(広島熱狂ファンの女性)と犬との再会の写真。
どれだけの愛情を持って動物の世話をしてきたかよくわかる。 こういう人々がいることがここの動物たちのせめてものそして最大 の救いであろう。一番の喜びはもちろん主人の元に帰る事だが、 この第一シェルターの動物たちにその望みはない。 その気持ちも組みつつ日々たくさんの愛情を持って当たり前のよう にたんたんと活動するここの人たちを心から尊敬する。 そして一匹でも多くの動物たちが新しい家族に譲渡されることを心 から願わずにはいられない。
今回の貴重な経験は自分がこれから生きていく上で常に心に留めて おこうと思った。
人間のエゴだけではなく一緒に動物とともに共存していけるより良 い道を見つけていけるボランティアとは何か考え、実行し、続けていくこと、無理なく、自然に、永久的に、、、
福島のボランティアの皆さん、第一シェルターの動物たち、 TKdvのみなさん、ファンケルの方達、
今回本当に貴重な経験をさせて頂き心から感謝します。
どんな形で無理ななく自分にできることは何かを今日をきっかけに 実行に移して行きたいと思います。
ありがとうございました。
久保田直美
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久保田さん、参加頂きありがとうございました。
TKdVでのミッションとしてしているボランティアの生活の一部として継続して行うため楽しんで無理のない範囲で行うというスタイルについて気づきがあったようで本当に良かったと思いました。今後も是非いろいろな活動に参加しながら続けて行って下さい。
「TKdVはバラエティゆたかなボランティアの機会の提供、ファンドレイジングパーティへの参加へのよびかけなど、みなさんの善意を社会に役立つ方向で活用できるよう様々な角度からボランティアを推進しています。
。。。
また、ボランティアを生活の一部として継続していくためには、ボランティアを楽しんで無理のない範囲で行ってほしいと願っています。 」
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